第9回 (2007年度)・長田重一先生 (京大)

担当 弓本 佳苗(旧姓 田中)(博士課程2年)

SSSの代表者を務めることは、今更ながら非常に光栄なことだと思います。今年もSSS開催にあたり、学生間で「今一番話を聞いてみたい先生」というアンケートをとった結果、京都大学の長田重一先生に御講演をお願いすることになりました。御講演依頼のメールのお返事に、「大変光栄です。」とのお言葉をいただき、それまでの緊張が一気にとけ、一人で舞い上がったのを覚えています。

さらに図々しいことに、御講演終了後の飲み会の約束まで取り付け、当日を迎えました。先生の御講演は、1つ1 つの実験が面白いことはもとより、お話全体から研究の流れを感じることができ、また「学生にも分かり易く」という長田先生のお心遣いを感じるものでした。御講演の素晴らしさに質問が後を絶たず、予定の時間を30分もオーバーしてしまいました。私も進行役ながら質問させていただきましたが、「氾濫する論文の中から何が真実かを見抜くのに、何かコツなどはあるか?」との問いに、「勉強すること、そして自分の実験を信じること。そうすればおのずから身に付くものだ。」というお答えをいただき、1日1日を大事にしようと改めて身が引き締まりました。

御講演後、長田先生を水炊きのお店にお連れしました。会では気さくに(肩を組んで!)写真を撮って下さるなど、非常にフランクに接して下さいました。また先生が留学先でのことや日本に戻られてからの素晴らしい発見の数々について、目を輝かせてお話になるのが印象的でした。翌日朝早いとのことでしたのに、2次会も夜遅くまで付き合って下さって、心苦しく思う反面、学生一同大変有意義な時間を過ごすことができて、長田先生には感謝してもしきれないくらいでした。

1日を通じて「サイエンスを楽しみなさい!」という長田先生の熱いメッセージを間近で感じることができ、非常に貴重な体験をさせていただきました。この素晴らしい会を来年以降も続けていくことができるよう、願うばかりです。最後になりましたが、我々のお願いを快く引き受けてくださった長田重一先生、そして、運営に携わった全ての大学院生の皆様、本当に有難うございました。

参加していただいた学生および先生方より御感想をいただきましたので、以下に紹介させていただきます。

SSSでは毎回著名な先生方のお話が聞けるので、非常に楽しみにしています。今回も充実した内容を学生の僕らにでもよく分かるように説明していただき、また、まさに研究の醍醐味とも言える新たな発見の連続にとても興奮しました。さらにSSS後の飲み会にも参加させていただき、セミナーでは聞けない貴重なお話を聞かせていただけたのがとても心に残りました。長田先生も若い頃は僕らと同じように色々な苦悩があり、大変な努力をされてきたからこそ、今の先生があるということが分かり、僕も少しでも長田先生に追いつけるようますます頑張ろうと思いました。

今回のSSSは自分にとって非常に良い刺激になりました。人にうまく説明することの大切さなど、研究者としてのあるべき姿を見ました。SSS後の懇親会でも夜遅くまで私たちに付き合っていただき、本当に幸せに思います。長田先生は本当にサイエンスがお好きで、そのサイエンスに対して全力で向き合う情熱的な方だなというのが印象強く残っています。また、サイエンスは楽しむものだということも再認識させられました。輝いている先生のお話は自分にとってワクワクするものばかりで、色々なエピソードを楽しそうに話す姿に魅かれました。長田先生と出会えたことは、自分のこれからの研究者としての人生にとってかけがえのない宝物になったような気がします。今まで以上に、サイエンスに全力で向き合って、長田先生のようにサイエンスを楽しみたいと思います。

長田先生の素晴らしい講演を拝聴できて、興奮を隠せませんでした。プレゼンテーションがとても分かりやすく、また御講演なさる先生自身から、研究に対する熱意と好奇心が伝わってきて、始まってすぐに引き込まれてしまいました。セミナー中に生じた様々な疑問も、すぐそのあとに問題解決につながるスライドがあり、論理的で一本のストーリーに沿ったお話の中に、先生の科学に対する姿勢を垣間見ることができました。とても有意義なセミナーに参加でき、忘れられない体験ができました。

今年のSSSに長田先生に来ていただけると決まった時から、お話を聞けることを楽しみにしていました。事前にある程度の勉強をし、軽く緊張しながらセミナーを迎えましたが、長田先生の御講演は研究内容の素晴らしさは当然ながら、ストーリーのあるスライドで理解しやすい上に、「ここも知りたい!」と思わせられるような興味深い御講演で、すっかりお話に引き込まれてしまいました。その後の質問にも丁寧にお答えいただき、質疑の時間が足りないと感じるほどに充実した時間を過ごさせていただきました。

SSSでは毎年著名な先生方がお越し下さっているのはもちろん承知していましたが、はるか雲の上の存在であった長田先生が生医研に来てくださることが決定したときは、にわかには信じがたい気持ちでありました。期待の入り交じった緊張感とともに当日を迎え、(当然のことながら)素晴らしい講演を拝聴して初めて、本当に来てくださったのだと実感いたしました。通常ならばお側に寄ることなどかなわない偉大な先生の講演を間近で拝聴でき、さらに宴会までお越し頂いて様々なお話をして下さったことが未だに夢のようです。しかし、緊張と興奮のあまり上手に話せず、失礼がなかっただろうかと心配でもあり、もっとお話ししたかったという寂しい気持ちでもあります。今回、長田先生のお人柄に触れ、サイエンスに対する真摯な姿勢に感銘を受けるとともに、先生が心からサイエンスを楽しんでいらっしゃるのがはっきりと分かって、理想の研究者像を見た思いでした。長田研の修士の学生さんが皆、博士進学を希望されるのは、先生の的確なご指導によるものだけでなく、先生の姿を通してサイエンスの楽しさや素晴らしさを感じているからなのだろうと納得いたしました。私も長田先生のように、サイエンスを楽しむだけでなくそれを人に伝えられるような研究者になりたいと思います。先生との出会いは一生の思い出となりました。お忙しい中私どもにお付き合い下さって、本当にありがとうございました。

長田先生のSSSを聴講してとても良かったと思います。SSSのアンケートで選ばれた先生は、どの方も日本のトップクラスであり世界でも有名な研究者ばかりです。もちろん学会へ行けば著名な先生方のご講演を聴くことができますが、質問はというとなかなか勇気の要ることであり、一方SSSでは気軽に手を挙げられる雰囲気でした。長田先生の御講演は非常に分かりやすく、聞いているうちに、だんだん人の研究ではなく自分自身でその研究を進めているような感覚にとらわれてしまいました。新入生で初めてSSSを聴講しましたが、とても勉強になりました。次回の SSSも楽しみにしています。

SSSは今回が初めてでした。アポトーシスに関するセミナーは大変勉強になりました。1時間半にわたるご講演でしたが、流れがきれいでとても理解しやすかったです。セミナー後の飲み会にも参加させていただきましたが、先生の気さくな人柄が伝わってきて楽しかったです。ノーベル賞候補と言われる先生と飲みに行く機会は滅多にないことです。10年前まで実験されていたこと、現在でも細胞やマウスをご自分の目で確かめられることなどのお話を聞いて、本当に研究が好きなのだなと思いました。

初めて参加したSSSは、素晴らしいものでした。90分の講演など滅多に聞くことがないため、始まる前はついていけるか心配でした。予習はしたが大丈夫だろうか・・。講演は、細胞がアポトーシスを起こす動画から始まり、次から次へとエレガントなデータが登場しました。面白くて分かり易い!!心配する暇もなくあっという間に時間が過ぎていました。予想通り皆も共感したらしく、質疑応答はヒートアップし、「直前にサイエンスの面白さを交えてお話くださいと言われて困りました。」と最後に長田先生。私には十分伝わりました。細胞がどうやって死んでいくのだろう?という素朴な疑問を、楽しみながら挑むという姿勢がすごく格好良かったです。

九州大学 生体防御医学研究所
分子発現制御学分野
弓本 佳苗(旧姓 田中)