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2016年

12月1日

第39回日本分子生物学会年会(パシフィコ横浜)の優秀ポスター賞を土本さんと岡さんが受賞しました。

2P-0121 「イノシン三リン酸分解酵素 ITPA 欠損の哺乳動物細胞およびマウス中枢神経系への影 響の解析」  土本 大介 (九大・生医研・脳機能)

2P-0587 「アルツハイマー病進展における核あるいはミトコンドリア DNA 中に蓄積した 8-oxoguanine の役割」 岡 素雅子 (九大・生医研・脳機能, 久留米大・分子生命科学研究所)

 

11月30日

岡さんの論文がマイナビニュースで紹介されました。

ヒトTFAMがアルツハイマー病の原因を抑制することを発見しました。

Human mitochondrial transcriptional factor A breaks the mitochondria-mediated vicious cycle in Alzheimer's disease. Oka, S., Leon, J., Sakumi, K., Ide, T., Kang, D., LaFerla, F. M., and Nakabeppu, Y. Sci Rep 6:37889, 2016.

 

11月1日

塩基除去修復酵素、NEIL3欠損が自己免疫症の要因となることを発見しました。

Deficiency of base excision repair enzyme NEIL3 drives increased predisposition to autoimmunity. Massaad MJ, Zhou J, Tsuchimoto D, Chou J, Jabara H, Janssen E, Glauzy S, Olson BG, Morbach H, Ohsumi TK, Schmitz K, Kyriacos M, Kane J, Torisu K, Nakabeppu Y, Notarangelo LD, Chouery E, Megarbane A, Kang PB, Al-Idrissi E, Aldhekri H, Meffre E, Mizui M, Tsokos GC, Manis JP, Al-Herz W, Wallace SS, Geha RS. J Clin Invest 126:4219-4236, 2016.

 

9月22日

MUTYHが活性酸素によるミクログリアの活性化と遺伝性網膜色素変性を促進することを発見しました

MUTYH promotes oxidative microglial activation and inherited retinal degeneration. Nakatake S, Murakami Y, Ikeda Y, Morioka N, Tachibana T, Fujiwara K, Yoshida N, Notomi S, Hisatomi T, Yoshida S, Ishibashi T, Nakabeppu Y, Sonoda KH. JCI Insight 1:e87781, 2016.

 

9月13日

ヌクレオチドプール中に蓄積したdITP(デオキシイノシン三リン酸)がDNA複製時にゲノムDNAに取り込まれるとMLH1/PMS2とp53に依存して細胞増殖の抑制とゲノム不安定性が誘導されることを明らかにしました。

Deoxyinosine triphosphate induces MLH1/PMS2- and p53-dependent cell growth arrest and DNA instability in mammalian cells. Yoneshima, Y., Abolhassani, N., Iyama, T., Sakumi, K., Shiomi, N., Mori, M., Shiomi, T., Noda, T., Tsuchimoto, D., Nakabeppu, Y., Sci Rep 6: 32849, 2016.

 

8月22日 

脳梗塞の危険因子として同定されたPKCηがマウスの動脈硬化症モデルの増悪因子として機能することを明らかにしました

PKCη deficiency improves lipid metabolism and atherosclerosis in apolipoprotein E-deficient mice. Torisu, K., Zhang, X., Nonaka, M., Kaji, T., Tsuchimoto, D., Kajitani, K., Sakumi, K., Torisu, T., Chida, K., Sueishi, K., Kubo, M., Hata, J., Kitazono, T., Kiyohara, Y., Nakabeppu, Y., Genes Cells 21:1030-1048, 2016.

 

5月24日

アルツハイマー病における脳内グルコース代謝障害、ミトコンドリア機能不全、酸化的DNA損傷の関係を報告しました。

Molecular pathophysiology of impaired glucose metabolism, mitochondrial dysfunction, and oxidative DNA damage in Alzheimer's disease brain. Abolhassani, N., Leon, J., Sheng, Z., Oka, S., Hamasaki, H., Iwaki, T., Nakabeppu, Y., Mech Ageing Dev 161:95-104, 2017.

 

3月16日 

Julio Leon君の論文「8-オキソグアニンの蓄積が神経突起の変性を引き起こすことを発見」が日経産業新聞に掲載されました。

 

2月25日

8-オキソグアニンの蓄積が神経突起の変性を引き起こすことを発見
−アルツハイマー病などの神経変性メカニズムの一端が明らかに−

Oxoguanine accumulation in mitochondrial DNA causes mitochondrial dysfunction and impairs neuritogenesis in cultured adult mouse cortical neurons under oxidative conditions. Leon, J., Sakumi, K., Castillo, E., Sheng, Z., Oka, S., Nakabeppu, Y., Sci Rep 6:22086, 2016.

 

2015年

5月7日

ペルーのNational University of TrujilloからFátima Zavala De La Cruz博士が訪問研究員として来日しました。

2月1日

ヒトALS患者同様に、SOD1[G93A]-ALSモデルマウスでもニューロフィラメント凝集病変にガレクチン1が蓄積することを明らかにしました。ガレクチン1はALS様症状の出現以前に運動神経軸索に蓄積し、その蓄積はSOD1[G93A]マウスにおける軸索変性の初期過程に関与することが示されました。一方、アストロサイトで発現するガレクチン1は、症状が出現する時期の軸索変性に関与する可能性が示唆されます。

Galectin-1 deficiency improves axonal swelling of motor neurones in SOD1(G93A) transgenic mice. Kobayakawa Y, Sakumi K, Kajitani K, Kadoya T, Horie H, Kira J, Nakabeppu Y.Neuropathol Appl Neurobiol. 41:227-244, 2015.

 

2014年

10月13日

8-オキソグアニンに誤対合したアデニンの除去修復を開始するアデニンDNAグリコシラーゼをコードするMUTYH遺伝子はp53依存性の転写制御を受け、PARP依存性の細胞死を誘導することでp53による発がん抑制に寄与することを明らかにしました。

MUTYH, an adenine DNA glycosylase, mediates p53 tumor suppression via PARP-dependent cell death. Oka S, Leon J, Tsuchimoto D, Sakumi K, Nakabeppu Y. Oncogenesis 3:e121, 2014.

 

5月16日

大野みずきさん、作見邦彦さんの論文「8-oxoguanine causes spontaneous de novo germline mutations in mice. 」が平成26年5月16日付けの科学新聞で紹介されました。

 

4月25日

Fosb遺伝子産物がミクログリアにおいて補体C5aレセプター遺伝子であるC5ar1C5arの発現を制御することにより、脳内ミクログリアの活性化に寄与していることを明らかにしました。

Fosb gene products contribute to excitotoxic microglial activation by regulating the expression of complement C5a receptors in microglia. Nomaru H, Sakumi K, Katogi A, Ohnishi YN, Kajitani K, Tsuchimoto D, Nestler EJ, Nakabeppu Y. Glia 62:1284-1298, 2014.

 

4月16日

大野みずきさん、作見邦彦さんの論文「8-oxoguanine causes spontaneous de novo germline mutations in mice. 」が平成26年4月16日付けの日刊工業新聞、西日本新聞、マイナビニュースで紹介されました。

 

4月15日

酸化塩基8-オキソグアニンがほ乳類の生殖細胞における自然突然変異の原因となることを明らかにしました。

8-oxoguanine causes spontaneous de novo germline mutations in mice. Ohno, M., Sakumi, K., Fukumura, R., Furuichi, M., Iwasaki, Y., Hokama, M., Ikemura, T., Tsuzuki, T., and Nakabeppu, Y., Sci Rep, 4:4689, 2014.

 

2月12日

筋萎縮性側索硬化症モデルマウスにおいてにおいてガレクチン-1が運動神経の軸索腫大部に沈着することを明らかにしました。

Galectin-1 deficiency improves axonal swelling of motor neurons in SOD1G93A transgenic mice. Kobayakawa Y, Sakumi K, Kajitani K, Kadoya T, Horie H, Kira JI, Nakabeppu Y. Neuropathol Appl Neurobiol 41(2):227-44, 2015.

 

1月23日

外間 政朗さんの論文「Altered Expression of Diabetes-Related Genes in Alzheimer's Disease Brains: The Hisayama Study.」が平成26年1月23日付けの読売新聞夕刊のからだ面(デジタル版はこちらから)で紹介されました。

 

2013年

7月25日

外間 政朗さんの論文「Altered Expression of Diabetes-Related Genes in Alzheimer's Disease Brains: The Hisayama Study.」が平成25年7月25日付けの朝日新聞の科学欄で紹介されました。

5月24日

外間 政朗さんの論文「Altered Expression of Diabetes-Related Genes in Alzheimer's Disease Brains: The Hisayama Study.」が平成25年5月24日付けの科学新聞(第3438号)で紹介されました。

5月9日

外間 政朗さんの論文「Altered Expression of Diabetes-Related Genes in Alzheimer's Disease Brains: The Hisayama Study.」がマイナビで紹介されました。

5月7日

外間 政朗さんの論文「「Altered Expression of Diabetes-Related Genes in Alzheimer's Disease Brains: The Hisayama Study.」がPress Releaseされました。西日本新聞,毎日新聞,日本経済新聞,産経新聞,北海道新聞,静岡新聞等で紹介されました。

4月17日

糖尿病がアルツハイマー病の危険因子となるメカニズムを明らかにしました。

Altered Expression of Diabetes-Related Genes in Alzheimer's Disease Brains: The Hisayama Study. Hokama M, Oka S, Leon J, Ninomiya T, Honda H, Sasaki K, Iwaki T, Ohara T, Sasaki T, Laferla FM, Kiyohara Y, Nakabeppu Y. Cereb Cortex. 2013 Apr 17. [Epub ahead of print]

近年、糖尿病がアルツハイマー病を含む認知症の危険因子となることが報告され、その結果認知症高齢者が増加している可能性が示唆されています。しかし、なぜ糖尿病がアルツハイマー病の危険因子となるのかその分子メカニズムはよく理解されていません。私たちは、九州大学で50年間にわたって継続されている久山町研究に献体された方の死後脳を用いて遺伝子発現プロファイルを調べました。その結果、アルツハイマー病患者脳では、アミロイドβ産生や神経原線維変化ではじまるアルツハイマー病特有の病理変化により脳内のインスリン・シグナリング系が破綻していることを発見しました。インスリン・シグナリング系が破綻したアルツハイマー病患者の脳は代謝障害や炎症反応に起因する様々なストレスに対して著しく脆弱となります。このような状況下で末梢のインスリン抵抗性または糖尿病を発症すると、さらにアルツハイマー病の病態が悪化し、その進行が促進されることになります。

4月1日

fosB欠損マウスが成体海馬の神経新生の異常とてんかんの自然発症・うつ様行動を示すことを明らかにしました

fosB-Null Mice Display Impaired Adult Hippocampal Neurogenesis and Spontaneous Epilepsy with Depressive Behavior. Yutsudo N, Kamada T, Kajitani K, Nomaru H, Katogi A, Ohnishi YH, Ohnishi YN, Takase K, Sakumi K, Shigeto H, Nakabeppu Y. Neuropsychopharmacology. 2013, 38(5):895-906.

てんかん患者はうつを発症するリスクが高く、また、てんかん・うつともに成体海馬における神経新生の異常が報告されていますが、詳しいメカニズムは明らかにされていません。最初期遺伝子の1つであるfosB遺伝子は、選択的スプライシングと翻訳開始によりFosBとΔFosB,Δ2ΔFosBをコードします。私たちはラット脳においては一過性の前脳虚血後に側脳室下帯や海馬顆粒細胞下層に存在する神経前駆細胞でfosB産物の発現が誘導されることを明らかにしてきました。また、アデノウイルスベクターを用いたfosB産物の強制発現は神経幹細胞の増殖を促進します。最近、私たちは fosB 完全欠損マウスがうつ様行動を示すことを明らかにし、このfosB 完全欠損マウスでは神経新生に異常がある可能性を指摘していました。湯通堂さんは、fosB完全欠損マウスとΔFosBとΔ2ΔFosBのみを発現し,FosBを発現しないfosB(d/d)マウスにおける海馬歯状回の神経新生、神経病理、行動そして遺伝子発現を野生型マウスと比較して解析しました。fosB完全欠損マウスは成体海馬神経新生の異常とてんかんを自然発症しましたが、fosB(d/d)マウスではこのような異常は認められませんでした。マイクロアレイ解析により、fosB完全欠損マウスの成体海馬では、神経新生・てんかん・うつに関与する複数の遺伝子の発現が変化していることが明らかになりました。以上から、fosB完全欠損マウスは、一遺伝子の欠損により神経新生の異常を伴いてんかんとうつを併発することから、てんかん患者における高頻度のうつ病併発に対して遺伝学および分子生物学的な根拠を与える最初のマウスモデルであると結論できます。

2月18日

Psychology Progress Key Research Articlesに大西克典さんの論文がリストアップされました.(PDFはこちらから)

1月1日

「活性酸素による核酸酸化に起因した神経変性の機構」が平成25年1月1日付けの科学新聞(第3419号)で取り上げられました。