第771回 生医研セミナー(多階層生体防御システム研究拠点)

下記の通り、落合 博 先生によるセミナーを開催致します。皆様方のご参加を心よりお待ちしております。

演題 / Title

多能性幹細胞における核ダイナミクスと遺伝子発現ゆらぎの関係性

演者 / Speaker

落合 博 先生
JSTさきがけ、広島大学理学研究科数理分子生命理学専攻

日時 / Date

2018年6月27日(水)  Jun. 27 (Wed), 2018
17:00~18:00

場所 / Venue

病院キャンパス 総合研究棟 104号室
以下の地図の1番です。
(http://www.kyushu-u.ac.jp/f/33270/2018hospital.pdf)

Seminar Room 104, 1F, Biomedical Research Station
No.1 on the following linked map.
(http://www.kyushu-u.ac.jp/f/33271/2018hospital-en.pdf)

要 旨 / Abstract

胚性幹(ES)細胞や人工多能性幹細胞などの多能性幹細胞は、種々の細胞種へと分化誘導させることが可能で、再生医療をはじめ、創薬や疾患研究への応用が期待されている。これら多能性幹細胞では、同一環境下であるにも関わらず、多能性維持に重要な転写因子Nanogを含む種々の遺伝子発現量の多様性が認められる。こういった多様性の出現機構は微小環境の違いや遺伝子調節ネットワーク中のネガティブフィードバックが関与していると考えられているが、未だに不明な点が多い。発表者はこれまでに、転写のライブイメージングを通して、Nanog遺伝子プロモーターの活性状態の確率的変動が遺伝子発現量の多様性に有意に寄与していることを見出した。さらに、特定内在遺伝子の転写及び核内局在を同時に可視化する技術を確立し、Nanog遺伝子が転写活性依存的に核内挙動を大きく変化させることを見出した。本発表では、遺伝子の核内挙動と発現量の細胞間多様性の関連について議論するとともに、最近成果が得られている1細胞RNA-SeqやCRISPRライブラリを利用した網羅的な多様性誘引機構の探索結果についても紹介したい。

連絡先 / Contact

生体防御医学研究所
トランスクリプトミクス分野
大川 恭行 092(642)6427