第769回 生医研セミナー(多階層生体防御システム研究拠点)


 生体防御医学研究所 防御分子構築学分野 客員准教授の揚妻 正和博士にセミナーをお願いしました。

 今回のセミナーでは、光学的アプローチを駆使した新たな脳機能に関する研究をご講演いただきます。
 皆様、是非ご来聴下さい。

演題 / Title

光学的アプローチによる大脳皮質情報処理機構の解明 ①

演者

揚妻 正和 先生

生理学研究所 生体恒常性発達研究部門 特任准教授

日時 / Date

2018年6月7日(木)  Jun. 7 (Thu), 2018
15:00~16:30

場所 / Venue

病院キャンパス 生体防御医学研究所 本館1階 会議室
以下の地図の31番です。
(http://www.kyushu-u.ac.jp/f/32761/2018hospital.pdf)

Seminar Room, Main Building 1F, Medical Institute of Bioregulation
No.31 on the following linked map.
(http://www.kyushu-u.ac.jp/f/32766/2018hospital-en.pdf)

要 旨 / Abstract

 大脳皮質の中でも内側前頭前野(mPFC)は、「情動」を含む多様な高次脳機能を担う部位である。そのため様々な精神疾患との関連も指摘され、臨床的観点でも重要な研究対象である。それら脳機能を成立させるには内部神経回路による緻密な演算処理が鍵となるが、その制御機構に関する知見は限定的である。
 このような脳内での情報処理機構を理解する上で、そこで働く遺伝子を理解しただけでは不十分であり、個々の細胞レベルでの理解に加え、「神経細胞集団」としての活動を包括的に理解する必要がある。集団としての制御実態を把握する上では、単一神経細胞分解能で多数の神経から活動を記録する必要があるが、従来は技術的な制約により困難であった。そこで我々は、独自に開発した「光学技術(2光子イメージング、光遺伝学など)」の組み合わせにより、擬似自由行動中のモデル動物(マウス)を用いて、そのmPFCでの神経活動の「記録・操作」を実現し、この課題に挑んでいる。
 今回は、これらの技術やその利点について説明するとともに、mPFCでの研究に至るまでの研究成果について紹介し、次回につなげる。

参考文献 / References

Agetsuma M., Hamm JP, Tao K., Fujisawa S., Yuste R.: Parvalbumin-Positive Interneurons Regulate Neuronal Ensembles in Visual Cortex. Cerebral Cortex (2018) 28, 1831-1845

Agetsuma M, Matsuda T, Nagai T.: Methods for monitoring signaling molecules in cellular compartments. Cell Calcium. (2016) S0143-4160, 30194-30194

揚妻正和: オプトジェネティクス-高次脳機能情報処理機構の理解へ向けて 「生体の科学(特集「生命動態システム科学」)」,Vol.65 No.5 p518-519(2014)

Agetsuma M., et al.: The habenula is crucial for experience-dependent modification of fear responses in zebrafish. Nature Neuroscience, (2010) 13, 1354-1356

連絡先

生体防御医学研究所
脳機能制御学分野
中別府 雄作 092(642)6800