第580回 生医研セミナー(多階層生体防御システム研究拠点)
グローバルCOE理医連携セミナー

生体防御医学研究所 防御分子構築学分野 客員准教授の千葉大学大学院 医学研究院 薬理学の松本明郎博士にセミナーをお願いしました。
今回のセミナーでは、内因性と外因性の一酸化窒素(NO)がもたらす血管内皮細胞への影響の違いに注目した研究を中心にご講演いただきます。皆様是非ご来聴下さい。

演題血管内皮細胞の形態変化に対する内因性・外因性一酸化窒素の影響

演者松本 明郎 先生
千葉大学大学院医学研究院 薬理学 准教授

日時平成23年6月16日(木)10時〜12時

場所馬出医学系キャンパス内 生体防御医学研究所 本館1階 会議室
以下の地図の20番になります。
http://www.kyushu-u.ac.jp/access/map/hospital/hospital.html

要旨 血管内皮細胞は、血管平滑筋の弛緩反応や血管の透過性を調節する細胞として重要であり、機能変化と形態変化が相互に関係していることが知られている。たとえば血流によるずり応力は内皮細胞の配向性を変化させるのみならず、一酸化窒素(NO)産生量を増大させる。さらに、腫瘍増殖などにおいて必要となる血管新生には、内皮細胞の管腔形成能が密接に関与していることが知られている。内皮細胞は生理的条件下においては血管弛緩因子として一酸化窒素(NO)を内因性に産生する一方、炎症性病態においては血管平滑筋細胞由来の過剰なNOに暴露されることがあり、血管内皮細胞に対するNOの作用は内因性・外因性によるものを分けて検討することが必要となる。今回、我々はマウス血管腫より単離された血管内皮細胞株を用いて、内因性または外因性のNOが形態変化に対してどのように関与しているのかを検討した。内因性NOの血管形成様反応に及ぼす影響と、細胞間接着に対する外因性NOの作用について報告する。

連絡先生体防御医学研究所 脳機能制御学分野
中別府 雄作
電話:092-642-6800


Copyright 2003 Medical Institute of Bioregulation Kyushu University. All Rights Reserved.