研究所の使命

所長 中別府 雄作
Director Yusaku Nakabeppu

2016年4月1日


生体防御医学研究所は生体の恒常性を維持するために重要な「生体防御」を研究テーマに据え、生命現象の本質に迫る基礎研究を展開するとともに、生体防御機構の破綻による疾患の発症機序の解明と診断、治療法の確立を目指した研究を展開しています。これまでも国内屈指の実績を誇り、国際的にも高い評価を受けて参りましたが、現在さらに多角的に生体防御システムを解明するための世界的な研究教育拠点となることを目指しています。

本研究所は、1982年に九州大学温泉治療学研究所(大分県別府市)と医学部附属癌研究施設(病院地区)の統合、改組により発足しました。2001年には、遺伝情報実験施設を統合して大幅な再編を行い、3大部門、2附属研究センターの構成となりました。その後2009年より「感染ネットワーク研究センター」を設置し、2010年には文部科学省から共同利用・共同研究拠点「多階層生体防御システム研究拠点」に認定され、「生体多階層システム研究センター」を設置して共同研究を推進しています。2011年には別府地区の3分野を九州大学病院へ移管し、より一層先端研究に集中する体制を整えました。当研究所が有する最先端の研究機器や支援技術(超高速DNAシーケンサー、マイクロアレイ、電子顕微鏡、NMR構造解析、プロテオーム解析、遺伝子改変動物作製サービスなど)は、技術室により管理運営され、学内外の多くの共同研究者に開放・提供されています。さらに、2013年より「遺伝情報実験センター」を改組した「トランスオミクス医学研究センター」を設置して、多階層のオミクス技術を用いた医学研究の世界拠点を目指しています。2016年4月からは,このセンターをコアに国内の3つの共同利用・共同研究拠点と協力して「トランスオミクス医学研究拠点ネットワーク形成事業」を展開しています.2016年度の研究所の構成は、3大部門(8分野)、3附属研究センター(14分野)です。また、大学院教育においては、医学系学府(医科学専攻修士課程、医学専攻博士課程)とシステム生命科学府(生命医科学専攻 5年一貫制博士課程)の教育と研究指導を担当し、理医連携のコアとして活動しています。

本研究所は2012年に創立30周年を迎え、九州大学病院別府病院創立80周年と共に、盛大に記念行事を挙行したところです。この30年の間に、本研究所は大きく発展し、生命科学・基礎医学の分野における優れた研究教育拠点のひとつとして認知されるに至っています。2015年11月には佐々木裕之主幹教授(副学長、前所長)がエピジェネティクス分野の研究発展への多大な貢献により紫綬褒章を受章いたしました。さらに、各分野による発見を社会に還元するため、受託研究や産業界との共同研究を通した応用研究も重要視しており、昨年度より、革新的先端研究開発支援事業のサポートを受け革新的医薬品の創出を目指した研究も進めています。今後とも活発な研究活動により、生命現象ならびに病理現象を解明し、難治性疾患に対する新規治療法の開発へ貢献することが、我々研究所教員・学生・スタッフ一同の願いです。なにとぞ、ご支援賜りますよう心よりお願い申し上げます。